アルプス交響曲/下野竜也指揮・読売日本交響楽団
川崎に行く用事があってたまたまミューザの広告で発見した公演。フェスタサマーミューザという企画で、在京オーケストラが日替わりで演奏しているようだ。公式サイトが非常に気合い入っているので、もし時間があれば見てみてほしい(曲の試聴までできる!)。入場のときもらったパンフも分厚くて解説が充実したものになっている。
ミュンフン指揮のプログラムは売り切れていたものの、他は残っているようだった。個人的にはこのプログラムも相当面白いと思う、のだが・・・曜日が悪かったか?(今週の木曜日でした)
この公演が面白いと思った理由は、やはり指揮者とオーケストラの組み合わせ。ブザンソン*1で優勝した気鋭の下野が読響の正指揮者に就いたばかり(←半年以上経ったけど)で、当然アルプス交響曲はこの組み合わせでの初公演なのだ(アルプス交響曲は超編成のオーケストラを縦横無尽に使い尽くす名曲として名高い*2)。
チケットが安いのも良い。プログラムがこの曲のみであるかわりに(演奏時間は約50分)チケットは何とA2000円、S3000円。そして指揮者のプレトーク(曲解説)つき。行かない理由は無かろう(笑)。
さて当日。ミューザは久しぶりに行ったのだが、いつかの苦労が脳裏によぎりまくって苦笑するしかなかった。席の埋まり具合は7割ほど。お年を召した方が多いのはまあ仕方ないか。若い人がもっと来てくれたらといつも思う。
プレトークは非常によかった。登山帽とベストで現れた自称メタボリック指揮者の下野による解説は、まさに簡にして要を得るもの。スクリーン使用で分かりやすかったし、ユーモアも適度に交えていた。この人多分頭いいんだろうなぁ、という印象。なお、アルプホルンの演奏もあって、いつかのホルンキャンプで演奏した経験が脳裏に蘇って懐かしかった。
演奏もよく頑張っていたと思う。難しい曲ながら、金管が想像以上に踏ん張っていた(細部に少し難はあったが・・・)。特にトロンボーンセクションとソロホルンがよかったかな。弦も結構乗っていたように見えた。アンサンブルも概ね良好で、指揮者との相性は悪くないようだ。
指揮ぶりは、野球で喩えるなら「要所を締める」という感じだった。いわゆる聴きどころでは非常にしっかりした解釈で、音を一音一音しっかり鳴らしきるところが特に好感。もしこれが良かったら今後も行ってみようかと思っていたのだが、これなら是非行きたいと思う。
2007年7月26日、ミューザ川崎コンサートホールにて。作曲はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)。