注釈・webの写真講座


 兼ねてから僅かに要望があったので(どんな要望だよ)、ここで写真入門について少し考えるところを記しておきたい。とはいってもぼくが論じるなど畏れ多いところなので、web上に見られる「これは!」というソースを基礎にして注釈を入れていくような形でまとめてみようと思う。

 さて、「これは!」と思ったサイトは2つ*1。すなわちニコンとリコーの公式サイト内の入門講座である。この2社はぼくが激しく好きなメーカーなわけだが、決して恣意で選んだわけではない。純粋に内容的にみてここが一番よいと思うのだ。キヤノンのサイトも結構いいが、体系性を欠くのであまり好きになれない。ただし深いところは深いのでピンポイントで触れていく。

 これら2つのサイトはそれぞれ異なる性格の叙述がされている。ニコン帰納的・実践的に、リコーは演繹的・体系的に書かれているのだ。だから、これらを両方見ることによって効率的に知識が吸収できると思う。両者を見る順序は、実践的なニコンサイトでとにかく撮ってみる→体系的なリコーサイトで知識を整理→記述が詳しいニコンサイトで知識を補充、という流れがいいように思う。早速いってみよう。

◆Lesson1:とにかく撮ってみる◆

 ニコンの「デジタル一眼レフ入門講座」の目次立てはこのようになっている(フィルム用の講座もある。フィルム派も当該リンクを以下の順番で見ればいいのではないかと思う。また、コンパクトデジタルの人はこちらを見つつ下記のデジタル一眼講座を読んでおけば万全か。)。

1章:カメラを使ってみよう
 1-1.一眼レフの特徴
 1-2.カメラを触ってみよう
 1-3.カメラまわりの機材
2章:画素数と画質の知識
 2-1.そもそも、画素って何?
 2-2.画質モードを選択する
 2-3.画質を決める要素
3章:ピントを理解しよう
 3-1.ピントって何?
 3-2.ピントはどこに合う?
 3-3.オートフォーカスの設定
4章:ズームを使いこなそう
 4-1.ズームの基本
 4-2.望遠レンズを使う
 4-3.広角レンズを使う
5章:写真の明るさを変える
 5-1.露出補正って何?
 5-2.こんな具合に使います
 5-3.便利な機能も使おう
6章:露出モードを使い分ける
 6-1.露出モードを切り換え
 6-2.絞りとシャッター
 6-3.S、A、Pモード
7章:色を変えてみよう!
 7-1.デジカメで色調整
 7-2.ホワイトバランス設定
 7-3.仕上がり設定を使う
8章:内蔵フラッシュを使う
 8-1.内蔵フラッシュの操作
 8-2.上手に使うポイント
 8-3.高度な使い方
 全てを最初から精読するのは時間もかかるし面白くないので、思いっきりカットし、重要なところを先に見てしまいましょう。

 まず、1章、2章は飛ばしてもいいと思う。次は3章。

3章:ピントを理解しよう
 3-1.ピントって何?
 3-2.ピントはどこに合う?
 3-3.オートフォーカスの設定
 これは一応読んでおく必要がある。3-1から3-3まで一応読もう。
 ピントを合わせる手段が2つ挙げられているが、ぼくは2つ目の方法しか使いません。左目が利き目というのもあるけど、中央でフォーカスロックかけたほうが早いような。

4章:ズームを使いこなそう
 4-1.ズームの基本
 4-2.望遠レンズを使う
 4-3.広角レンズを使う
 これは重要。とくに、「ズームの操作に慣れたら、今度は逆に、ズームを広角か望遠いずれかにに固定して、自分自身が被写体に近づいたり、遠ざかったりして撮影することを目標にしてください」の1文には著者の読者に対する愛がビシビシ感じられる。やってみれば分かる。これが遠近感の大小&取り入れる背景の範囲を決するのだ。極めて大切な章。

5章:写真の明るさを変える
 5-1.露出補正って何?
 5-2.こんな具合に使います
 5-3.便利な機能も使おう
 体系的に理解するなら6章が先だと思うが、敢えてこれを先に持ってきているところにこの連載の狙いを感じる。まずいじってみろの精神。読んで撮ってみよう。
6章:露出モードを使い分ける
 6-1.露出モードを切り換え
 6-2.絞りとシャッター
 6-3.S、A、Pモード
 ここも超重要。ただし、絞りとシャッターを理解すれば十分。
 4・5・6章を理解すれば初心者卒業と言っていいのではないかと思う。

 7章・8章は、最初は読む必要なし。

◆Lesson2:体系的に知る◆

 では、次はリコーの入門サイトの目次をみてみよう。

1章
カメラの基本的な構造
カメラの種類(1)
カメラの種類(2)

2章
フィルムの種類(1)
フィルムの種類(2)
フィルムの種類(3)
レンズ(1)
レンズ(2)
例によってこれらは不要。
3章(pdf)
遠近感
フォーカシング機構
絞りの働きとレンズの明るさ
絞りの効果
焦点距離・撮影距離・被写界深度
シャッターシャッターの働きと効果
4章(pdf)
露出
カメラの露出計
自動露出( AE )
露出のアンダーとオーバー
露出調節が楽なネガカラー
照明光源の色とフィルムの色再現
ネガカラーフィルムのプリント時の色補正
写真撮影の基礎
 ここが大切。自動露出は「自動」なんだから理解する必要はない、という意見は却下であります。どうせなら知っておきましょう。ニコンのサイトで出てきた概念を中心に一読を。

5章(pdf)
カメラポジション
カメラアングル
構図
フラッシュ撮影(1)
フラッシュ撮影(2)
フィルターの効果
被写体への光線
 これもほとんどニコンの確認になりますが、一応。構図については、基礎の基礎をキヤノンが詳しく解説してくれている。→こちら(クリエイティブパーク内「撮影テクニック・構図の基本」)

◆Lesson3:仕上げ 〜そして中級者へ〜◆

 ニコン7章「ホワイトバランス」8章「フラッシュ」で写真にバリエーションを。ちなみに、ぼくがデジタルで撮るときのホワイトバランスはほとんどデイライト。
 8章に関して補足するなら、基本的にフラッシュは使わず、絞りを開けられるレンズを1本持っておくのがいいと思う。暗いところでシャッタースピードを稼げる(=手ぶれ・被写体ぶれの危険が減る)うえ背景もぼかせるからだ。
 とはいえ、デジタルは感度を1600に上げても問題ない機種が増えつつあるので、それで賄ってもいいと思う。敢えて選ぶなら、おすすめのレンズ(@デジタル)は24mm/F1.8(シグマ製*2)か30mm/F1.4(シグマ製)か35mm/F2(各純正メーカー製*3)、@フィルムなら35mm/F2、50mm/F1.8orF1.4あたりか。自分の撮影したデータをみて、自分のよく使うズーム域を把握すれば選択は簡単になるはず。
 仕上げとしてニコン1章2章で知識の補充を。直接写真に影響はないけれども、知っていればどこかで役に立つはず。
 また、シチュエーション別の簡単な記述として、キヤノンここ(同上・シチュエーション編)が参考になるだろう。

 注釈は以上。あじゃじゃしたーっと。



*1:実は、以前は3つあった。フジフィルム子会社のサイトにすごくいい入門講座があったのだが、統合に伴い消滅してしまった・・・。復活希望のメールを送ったけれど、効果はなかった。フジ、イメージダウン。

*2:D40系はAF不可

*3:D40系はAF不可