母校の演奏会へ


 先日、母校の演奏会に行ってきた。
 身内の色眼鏡を外したとしても素晴らしい演奏だった。近年稀に見る集中力を見せてくれたと思う。アマチュア的な強烈な自己主張はそこまで感じられないにも関わらず、演奏を聴いていて本当に楽しかった。

 終演後、最近あんな演奏したかなあとわが身を振り返ると、全然見当たらなくて、ぼくは愕然とした。決して手を抜いてきたわけではないし、技術・経験も積んできていたはずなのに。自分達の演奏にはなくて彼らの演奏にはあるもの・・・確実にそれは存在するように思える。

 その要素が何かをここで詳細に分析することは控えたい。しかし少なくとも次のようには言えるだろう。パートリーダー、指揮者、そして団員のひとりひとり・・・メンバーが流動的な学生オケにおいて、彼らの「今の」構成が見事に嵌り合ったのだと。そして、オーケストラは、それを構成する要素のどれかひとつが足りなくてもいい演奏はできないのだと―――ぼくは、今日改めて彼らに気づかせてもらった。

 あんな演奏をまたこれからできる日が来るのだろうか・・・。