Pentacon F strikes back!
今年の正月は、師走の疲労を癒していただけではありません。しっかりと戦利品も確保して参りました。
以前から、Pentacon Fに似合うレンズをずっと探していたのだけれど、その栄えある1本目。その名もindustar-50(インダスター50)。ロシアレンズの基本ともいうべき、超ロングセラーレンズだ(これは1960年製)。レンズ内カビあり、外観ボロボロのものが捨て値で売られていたので買ってみた。
構造自体は単純なので、前面、後面のカニ目をそれぞれ回せば容易にカビは取れる。外観の整備については、側面のイモネジを全部外して外装をバラし、ピカールで磨き上げる。研磨の所要時間は30分程度。見惚れられる程度にまでは綺麗になった*1。ロシア製シルバーレンズは防錆のアルマイト処理が良くないせいか、大抵くすみきった色合いになっているが、鏡面仕上げにすれば不思議といい仕上げに見えてくる*2。掘り込み文字の精度も問題なく、仕上げは当時の国産品と比べても見劣りしないと思う。
マウントはM39・ゼニットマウント。若干マイナーなもので、そのままではPentaconに装着できないので、マウントアダプター(構造としては単なる変換リング)で変換する。私が使ったのは、desna-ua製のリング。精度が高く値段も安いので、おすすめ。
但し無限遠のピントはこない(アンダーインフ)。仕様です。
・・・仕様なのですが、今回は、これを何とか無限からピントがくるようにしてしまいます。(今日のメインテーマ)
1.まず、側面のピントリングのイモネジを3本外す。
2.無限遠時にそれ以上ヘリコイドが回転しないよう止めるネジ(黒)を外す。
3.組み上げる。
実に簡単なれど、私の知る限りは本邦初公開のピント改良工事。若干オーバーインフ気味になる(写真参照)が、もともとこのレンズはM39ゼニットマウント。よりフランジバックの長いM42機で使うのでちょうどよい(ちなみに、微妙にアンダーインフになる。F5.6くらいから問題ないように思う。)。しかも、外したネジは最短撮影距離も画するものなので、ヘリコイドがいくらでも繰り出せる(=最短撮影距離が縮まる)仕様にグレードアップ。0.35mくらいまでピントが合いそうだ。
Pentaconもコツコツと外観をフルレストアしてきた*3ものなので、両者の組み合わせは感慨深い。カメラ・レンズ共に50年前の製品なので実用性は皆無と思われるかもしれないが、普通に撮るなら意外と何とかなるものです。撮影例はまた今度・・・。