演奏会終了


 上智大学管弦楽団のエキストラで第九をやってきました。演奏後は結局朝まで打ち上げて、起きたら夕方でした・・・。感想をいくつか。

 前プロ*1の祝典序曲(4th)では、本番の妙味というものを堪能できました。各セクション間のフレーズの受け渡しがものすごくうまくいき、その爽快感・スピード感たるやこれまで味わったことのないほどのものでした。合奏の妙味というものが出せたのではないかと思います。「ブラボー」も複数来ました(笑

 あとはメインの第九が出番(2nd&4thアシスタント)だったのですが、これもまた本番の神が降臨したような演奏になりました。冒頭のホルン(1st&2ndのロングトーン・難しい)があまりに上手くいったので、正直そこで表情が緩みきってしまいました。録画されてることを思い出し、慌てて無表情に戻しましたが・・・多分残ってるだろうな。ああ恥ずかしい。

 うまくいったところも多かったですが、やはり大曲かつ難曲ゆえ、反省点はたくさんあります。救いだったのは、ステージ上で聴くより客席で聴いたほうがずっとよかったらしいということ。客席で聴いていた信頼できる友人達によると、やたらよく響く東京芸術劇場という「ハコ」が助けてくれていたということでした。

 また、ホールが桁違いに広かったということが印象的です。最近は小さめのホールでやることが多かったのですが、そことは音の通り具合が全く違います。客席でゲネプロをチェックしてくれた師との対話によれば、とにかく聴こえないから、通る音で吹きなさい、と。考えてみれば、音は距離に比例して減衰するので当たり前なのですが・・・やはり、普段狭い練習場で練習していると、このような弊害もあるんだと痛感しました。そんなこんなで体全体をぎりぎりまで酷使して吹くことになったので、ゲネプロと本番を終えた後はこれまで感じたことがないほど疲労。普段の修練に為すべき新たな1要素が加わった感じ。

 そして最も重要なのは、数年ぶりに学生オケに復帰してみて、学生オケのいいところが強力に再認識できたこと。学生オケの良さとは、喩えるなら「プロ野球より高校野球*2」、「ペナントレースより日本シリーズ」という感じでしょうか。1試合・1演奏にかけられたそれまでの膨大な労力の積み重ねが、必然的に熱になり重みになるのです。

 非学生オケの立場としては、たとえ学生のように時間がかけられなくても、やり方次第でいくらでも熱や重みのある演奏が可能だということを実践していきたい。

 ともあれ、このような機会を提供してくれた現役の皆さん・来てくれた大勢の友人達に本当に感謝しつつ、すっかり溜まってしまった課題の山を崩していく作業に入りたいと思います。どんより(え

*1:1曲目のこと

*2:私は高校野球派です