ブラームス2番(カラヤン)


ブラームス:交響曲第2番・第3番

ブラームス:交響曲第2番・第3番


 オーケストラがひとつあれば必ず数人はいると思われる(笑)、カラヤン狂。そのカラヤン狂のホルン仲間に触発されて、ブラームス交響曲2番を聴いてみました。

 ・・・聴き始めた数分後、BGM的に聴こうとしたことを後悔し始める。オーケストラのアンサンブルとかそういったレベルの話でなく、正に呼吸を一にしているのが音で分かります。4楽章で若干の乱れが出ているのが残念ですが、それを差し引いても神懸かった一体感です。比喩などではなく、いま聴いているのがオーケストラによる音楽であることを忘れてしまいます。言い換えれば、「純粋に」ブラームス交響曲2番と「直接」対面している、という感じでしょうか。

 カラヤンの指揮ぶりも素晴らしく、徹頭徹尾、揺ぎ無い(しかし頑固ではない)信念に基づいて音楽を作っているのが分かります。オーケストラというものを理解しつくしているというのが私にすら分かる、そんな演奏です。カラヤンというと、残した録音があまりに膨大なため、あまり演奏の良くない音源が訳の分からないレーベルから大量に出ているので、私にはその印象が割と強かったのですが、今日はその不明を恥じるばかりです。「帝王」なんていう恥ずかしいニックネームも「カラヤンなら仕方ないか・・・」と、すっかりカラヤンびいきになった秋の一日。

評価(5点満点):★★★★
(好みの問題になるが、4楽章はもう少しはっちゃけて欲しい。ラストのトロンボーンも微妙に惜しい。しかし、それ以外はまさに完璧。自信を持って推薦します。)