ラフ2・ヤンソンス指揮&St.ペテルブルク管弦楽団

ラフマニノフ:交響曲第2番

ラフマニノフ:交響曲第2番


 好きな指揮者なので、どうせならということで全集を買いました。ピアコン・管弦楽曲まで全て入って4000円ちょいですから、かなりの安さです(6枚組)。追々別のディスクも取り上げたいと思いますが、とりあえず交響曲2番から。

 1楽章がトラック2つに分かれているのがまず面白いですが、それはともかく内容としてはかなりの感情移入系で、テンポは相当前後します。指揮者から想像するに、もう少し冷静なものを想像していたので意外でした。テンポの是非は個人的な好みの範囲ですが、テンポが早くなってきたところで荒くなるのは残念なところ。2楽章は早め。弦楽器のキレがいいので、非常に気分良く聴くことができます。今まで聴いた2楽章で一番いいですね。3楽章は冒頭のクラリネットの音色がおもちゃっぽい感じでいただけない。その他はいいのに・・・。あとホルン吹き的視点としては、ホルンソロが「普通」で苦笑いしました。レニングラードフィル・ブヤノフスキー直系のホルンパートということで、強烈なビブラートを期待してたのに・・・。4楽章は、やはり弦のキレが聴き所かと。この指揮者は絶対テンポについてなんか凄いノウハウを持っているんだろうなぁ。私がヤンソンスが好きなのはこの特徴に負う面が大きいです。唯一残念なのが最後のコラール。コラール終了直前(piu mossoの前ね)からテンポが上がるので、コラールの腰が軽くなっているように思われました。ビシュコフがpiu mossoから突然テンポを上げるのとは対照的です。

 全体としてはよくできていると思いますが、もう一歩のところで決定盤とはなり得ない感じです。録音も若干ふわふわしており、マイナスポイント。評価:★★★★(5点満点*1

*1:今回から、概評として点数評価もつけていくことにします