機材更新2


 前回の流れから、新宿へ。まずはキヤノンF-1をショーケース(死語?)から何台か出してもらってチェック。・・・しかし、なんとなくしっくりこない。遠くから見る分には格好いいが、いざ触ってみるとそうでもない、という感じ。作動感にオーラが感じられなかったというのもあり、結局見送ることに。キエフもあったのですが、正方形フォーマットと心中するつもりなのかどうかについて同行の友人と検討した結果、正方形は「たまに」使うのがいいということになり、没。結局振り出しに戻ってしまいました。

 結局選んだのはペンタックスSP(黒)。今更それか、という感じもしますが、実際触ってみるといいんですこれが。操作感という意味でF-1より上とは言いませんが、肩を並べるくらいのものは持っています。F-1と同じくホットシューのないデザイン(←大事)。あと、M42レンズを既に持ってますし、開放測光も必要ありません。安いので、予算も浮きます(笑)。

 そして、購入時には初老のカメラ屋の店員さんに当時の話をいろいろ聞けました。なるほど、昔は初任給より高いカメラだったんですよね。そりゃ今のカメラとは存在感が違おうというものです。

 さて、実際の操作感をみてみます。確かにこのカメラは不便不便と言われていますが、実は十分使いやすいと思います。その理由は・・・。

 まずは自動絞りの存在。以前M42レンズを使っていたカメラは、アダプター経由のコンタックス139でしたから、絞れば絞るほどファインダーは暗くなっていきます。私は浅絞りをあまり使わないので、正直M42レンズには閉口気味でした。しかし、この自動絞り機構のおかげで、M42システムを実用していけそうな気配です。デジタル一眼+M42というのも、自動絞りがないと結構すぐ飽きてしまうのではないでしょうか*1

 あと、ファインダーが暗いとも言われますが、私にとっては実用に差し支えありません。この点は、視力良く産んでくれた両親に感謝です。また、シャッターのレリーズ感も合格でしょう。機械式シャッターですから、一度レリーズ感を覚えてしまえば、下手な電子シャッターのレリーズよりよほど感覚と合致した瞬間にレリーズできます。コンタックスの「触れなば落ちん」シャッターには劣りますけど・・・*2。そして、露出計も生きてます。絞込み測光ですが、露出は一度計ってしまえばあとは必要に応じて計ればいいのですから、ほとんど問題になりません。本機の当初の設計通り、測光方式がスポット測光ならどんなに良かったか、とは思いますが(笑)。あとは、レンズがスクリュー式という骨董ぶりですが、慣れれば不便とも思われません。

 というわけで、私的ペンタックスSPの評価は「欠点らしい欠点のない実にいいカメラ」という結論になりますが・・・世間ではそうでもないんだろうなぁ。無念。

*1:現行マウントカメラで自動絞りを実装するのは無理でしょうが・・・

*2:耐久性さえあれば選択肢だったのに・・・