「指揮のおけいこ」(著:岩城宏之)


指揮のおけいこ (文春文庫)

指揮のおけいこ (文春文庫)

 ようやく試験が落ち着いたので、ぼちぼち再開していこうかと思います。今日は巨匠・岩城の本について少し。どうでもいい話ですが、この本、何故か館山のパン屋で50円くらいで買いました。イカすぜパン屋。

 エッセイストとしても結構な活動をしている人の本なので、たどたどしいところは全く無く、読みやすく仕上がっています。良くも悪くも人柄がモロに出ているので、その辺は好みが分かれるかもしれません*1。私は好きです。

 内容も面白いです。一つ感心したところを挙げるなら、

指揮者はリハーサルでしゃべりすぎてはいけないのだ。・・・不自由な外国語だと、余計なことを言う余裕がない。自分が使える単語で、ズバリと要求することになる。・・・だからぼくは日本語のときは、常に気をつけている。

しゃべりすぎる指揮者、確かにたまにいます。なもので、妙にリアルに納得してしまいました。音楽経験を問わず楽しく読める名著です。

*1:「エッセイ」の意味がそもそも「形式にとらわれず,個人的観点から物事を論じた散文。また,意の趣くままに感想・見聞などをまとめた文章。随筆。」らしいですね。エッセイはあまり読まないので知らなかった。