よいお年を


 本年もありがとうございました。すっかり更新頻度は落ちてしまっていますが、月に一度は更新しますので(←1月からいきなり無理でしたorz)、気長にお付き合い頂ければ幸いです。本日は2本だてで。

 ▼前回の写真

 さて、前回の写真を撮影したレンズについて質問があったので少し触れます。YASHICA Tessar35/3.5と書いておいたので勘のいい人は気づいたかもしれません。京セラ・ヤシカのコンパクトカメラであるTシリーズに搭載されていた、一応ツァイス名義で出ているレンズをLマウントに移植したものです。
 携帯電話に積まれているようなツァイスレンズとはさすがにレベルが違って、逆光にも弱くなく、解像力も十分伸ばしに耐えるものです。色もそれっぽく濃いです。とはいえ高価なカメラではありませんでしたから、コントラストがつきすぎてシャドーが全然出ないのは覚悟しておく必要があります。決して高級な描写ではありません。だがそれがいい(ときもある)、という感じでしょうか。ちなみにもともとのカメラはAFの精度が極めて低かったので、目測で使えるこの移植は寧ろ使い勝手が上がっており、その点でも満足です。なお、四隅の光量落ちはフードのケラレです(うまく作用したかも)。

 ▼トイデジトイカメラのデジタル版)



 トイデジもらいました。Vivitarの「Vivicam 5050(VC5050)」というものです。すっかり気に入りました。これは名機と言っていいです。(詳しくはググってね)
 VivitarといえばOEMで妙なカメラを作ってみたり、はたまたSeries-1という高級レンズブランドを作ったりと見事に気まぐれな会社というイメージでしたが、このカメラはその気まぐれがいい方向に作用した感じでしょうか。以下、いい点を箇条書きにしてみます。

・デザインが素敵(私のは白ですが、黒も捨てがたい)
・小さい(最近ずっとポケットに入りっぱなし)
・ズームがない(いらん!)
・写りが独特(後述)

 何より重要なのが、これらの点が相乗して、「観念的な」早さ・軽さが実現しているところではないかと思います。ズームがないのでレンズがせり出すこともないし、AFもないので半押しする必要もない。時間的に見ればこれらの動作時間など微々たるものではあります。しかし、このカメラを使ってみれば、それらの時間的長短が重要でないことが分かると思います。ポケットから出して、電源を入れて、シャッターを押す。それで全ては終わる(中平卓馬風に)。そこに半押しもズーミングもないということの、なんと軽やかなことか!

 写りも独特です。不自然なまでに鮮やかなVividモードがウリですが、かなり渋い色が出るStandardモードこそ私は推したい。某通販ショップでは「コダクロームふう」と言っており、これはさすがに褒めすぎとはいえ、そう言いたくなる気持ちは分からなくもない、というところです。CCDの性能はよくありませんし出てくる色は決して高級な味わいではありませんが、うまく料理していると思います。他のコンパクトは使えなくなりそう。

 だめな点もあります。シャッタータイムラグが異様に長いことです。これさえ改善すれば・・・という点ではあります。画素数(500万)ももうちょっと欲しい。

 使い方のポイントとして、まずシャープネス設定をSoftにするのは絶対必要だと思います。デフォルトではギスギスしたシャープネスになってしまい見るに耐えません。また、ISOはAutoで425まで自動で上がるので、Autoにしておくのがいいかと思います(撮影モードがAutoであればシャッタースピードは1/8が下限なので、F2.8のレンズと相俟ってかなり暗いところまでいけます・・・ノイズ処理で油絵的に細部が失われますが)。また、ピントは通常とマクロのスイッチ切り替えですが、中間のポジションに設定することで、50cm前後のピントを改善できます。ストロボモードではISOがAutoでも強制的に100になるので、全然届きません。暗いようならISOを200に設定するといいかも。

 さて、欲しい人は・・・国内ではすぐ売り切れます。UKのアマゾンで買えば国内より割安(45ポンドくらいなので、いまなら送料入れても10000円しません)なので、そこがオススメです。是非どうぞ(前掲画像はamazon.uk該当ページへのリンク。アフィリエイトとかしてませんのでご安心を)。