ブルックナー5番/スクロヴァチェフスキ&ザールブリュッケンso.


 1996年録音・ARTE NOVA
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 シンフォニー5番は私のベスト・オブ・ブルックナーです。なぜなら、壮麗でいながらストイックな響きが一番出ているのが5番だと思うからです。また、このスクロヴァ&ザールブリュッケンの演奏はコストパフォーマンスに優れたブルックナーとして一般に広い支持を得ていますが、その中でも白眉なのがこの5番です。ベスト・オブ・5番。

 ブルックナーの音楽はイン・テンポで進めるのが上策と言われます。この演奏も御多分に漏れずイン・テンポです。金管の響きは完璧、華美に流れない弦楽器。このオーケストラの贅肉の無い響きは、ブルックナーの音楽にこの上なく合うように感じます。そしてティンパニはキレっぱなし(最高)。特に、金管の大音響によって構成される息の長いクレッシェンドを全て集約して叩きつける、ティンパニの最後の一撃はいつ聴いても悶絶します。

 一つだけ難を言うとすれば、曲が長い(73分)ことです。最初は構造を把握できないので聴くのが大変ではありますが、逆に言えば1枚のCDが長く楽しめるのでいいことなんではないでしょうか。4楽章だけ聴いたりでもいいでしょうし(それでも25分ですが--;)。

 また、発売元がARTE NOVAからBMGに移って値段が上がってしまいました(それでも1000円ちょいですが)ので、BMGの交響曲全集ボックスで買うか、ARTE NOVAの中古を探すのがいいような気がします。

 追伸>いつの間にかスクロヴァのショス5とか出てた。オケはミネアポリス。うーん、想像がつかない・・・。