芸術がビジネスの必修科目だそうで

日経6月15日夕刊、一面に次のような記事がありました。題は、「アートへいざなう」。内容は、「ビジネスとアートを考える会」というものがあり、その様子について伝えるもの。
こんないい加減な記事を通す新聞社にも問題がありますが、それには目を瞑るとしてもちょっとこれは・・・。一番凄かったのは以下の記述。大手航空会社に勤め、MBAを目指し、将来起業したいビジネスマン(38)曰く、「経営者には物事の本質を見極める目が必要。アートを理解するのも、いずれ会社を興したい私にとって重要な要素」と強調したそうです。また、「仕事で成功するうえでアートの素養は不可欠との共通意識が参加者にある」(記事より)そうで・・・。
仕事で成功する為にアートの素養が必要なのではなくて、もともとアートに興味を持つような余裕のある人こそが仕事で成功する可能性を持っている、そんな風に思いますがいかがでしょうか。芸術はビジネスの役には立つでしょうが、ビジネスの為と思った時点で芸術に近づくことはできません。
また、上記某野心家(38)は、「アートを理解する」という言葉を使っていますが、それでは一生「理解」できないでしょう。
芸術を勘違いしないためには、とりあえず集英社イエスタデイをうたって」や、ちくま新書「人はなぜ『美しい』がわかるのか」あたりを読まれると良いと思います。