何故芸術は凄いのか

■文化に関する世論調査(文化庁サイトより)

によれば、音楽への興味は非常に高いことが分かります(映画と並んで断突)。にも関わらず、当サイトで取りあげるクラシック音楽即ち「いわゆる芸術」というものは、「訳の分からないもの」というイメージが常につきまとっているのもまた事実です。

「そんな(←芸術)の本当はみんな分かってないんじゃないかな。声の大きな人が「これは芸術です」と言えば、みんなそう思うんじゃないのかな」(「イエスタデイをうたって冬目景著」より)

これはある意味、真実を突いている言葉だと思います。ほんとに分かりません。しかし逆に、分からないからこそ興味が掻き立てられるのです。分からないことは文章にできないようにも思えますが、それでも文章にできる方も世の中にはいらっしゃるようで。下のリンク先はちょっと長いですが、本当に名文ですので是非どうぞ。芸術のわけ分からなさに少しでも興味があったり興味が出てきてたり腹立ってたりする人なら一読の価値があります。

■なぜ芸術はスゴいのか?(文芸ジャンキー・パラダイスより)

この方によれば、「なぜ先人たちが名作と判断して残してくれたのか、その魅力を探して欲しい」としています。私は、オーケストラの先輩のハマりっぷりに興味を引かれたのですが、似たようなものです。分からないから興味が出る。自分に分からないことを楽しんでいる人がいるのが何となく気になる。その好奇心こそが、音楽と接する際に最も大切なものです。
「人は背中に何回電気が走ったかで、人生の幸不幸が決まると思う(同上)」
私は、音楽で何度走ったかは数え切れません。今現在苦しい身の上ですが、ひょっとしたらそれなりに幸福なのかもしれません。
今後のクラシックレビューでは、その「電気」が少しでも文章で書き起こせれば、と思ってます。